―ANIMAXIS 「メトロポリス」はご覧になって如何でしたか。 ―岩崎 いやー、映画として面白かったですね。劇場用のアニメですから90分位の作品でしたけど、あれから先を描いてみたいと思いました。映画なのでストーリー的には終わっているのですが、TVシリーズでもっとじっくりと生活の部分を描きたいと思いました。先輩の作った作品なのですが、監督として個人的にはあのティマというキャラクターをもっともっと描いてみたいと思いました。 ―ANIMAXIS それは是非拝見したいですね。岩崎監督のファンのみならず、皆見てみたいと思いますのでいつか実現して下さい。今「メトロポリス」の話が出たのですが、岩崎監督と手塚治虫先生の出会いの作品は何でしたか。 ―岩崎 マンガというよりはアニメでした。その頃はおそらく再放送だったと思いますが「リボンの騎士」(※注10)が最初だったと思います。アニメに触れてマンガにいったという感じですね。僕の世代のマンガ家は手塚先生の影響を受けている方が多いです。僕にとっては、少し引いた、ワンクッション置いたアニメの原作者という感じなのですが。
―ANIMAXIS 勉強不足で大変申し訳ないのですが、庵野さんとご一緒だった作品は何でしょうか。 ―岩崎 ガイナックスの「トップをねらえ!」(※注14)という作品に一時期動画マンで参加していました。ですから一緒に仕事をしたという感じではなくて、庵野さんが監督されていたのを端から見ていたという位のレベルなのですが。 ―ANIMAXIS その現場の持つパッションとか空気が非常に勉強になったという事ですね。 ―岩崎 はい。何より以前から彼らのグループが作る作品は好きだったので。 ―ANIMAXIS それはダイコンフイルム(※注15)の作品ですよね。 ―岩崎 ダイコンフィルムの作品を観て、大学生時代に自分も仲間と一緒にアニメを作ったりしたのが、この世界に入るきっかけになっているので余計にですね。今でもあるのですが、アニメ研というサークルが僕の入学する何年か前に出来まして。当時は非常に若いサークルだったのですが。 ―ANIMAXIS 岩崎監督はその出世頭ですね。その頃の作品は岩崎監督ご自身持っていらっしゃるのですか。 ―岩崎 いや、出世頭だなんて、そんなことないです。皆色々な方面で出世しています。作品の方はビデオテープでならあると思うのですが。サークルの方で、特に僕の作品ということではなく昔の作品ということでコミケなんかでテープを販売しているようですが。何せ8oなので学園祭に行っても観れるかどうかは分かりませんが。 ―ANIMAXIS 作品的にはもうその頃からキャラを掘り下げるという作風だったのですか。その頃から女性にはこだわっていましたか。 ―岩崎 その頃はあんまり監督作品がなくて、パートで絵コンテを担当したり、作画を何カットか描いていました。女性というよりも、それまではロボットやメカに興味があって、ちょうど大学に入る頃に「超時空要塞マクロス」の美樹本キャラ(※注16)にやられまして模写したりしました。絵で真似したのは美樹本さん位ですね。 ―ANIMAXIS では演出で影響を受けた方はいらっしゃいますか。 ―岩崎 特に誰の影響が大きいという事はありません。作品を観て「これは」と思ったシーンや作品全体の雰囲気は使ったりします。最近、といっても大分経ちますが、「新世紀エヴァンゲリオン」のカットの構成等が印象に残っていたので、その時々の作品で使ってみたりしています。 ―ANIMAXIS 普段生活している時、仕事モードではない時でも「これ頂き!」と言う感じでメモを取られたりされますか。 ―岩崎 そこまで勉強熱心ではないのですが、何気なく映画を観ていても、アイデアを盗むぞっていう感じではなくて、普通に観て、後で「良かったな」と思う部分を自然に使うことはありますね。そういうシーンの方が心に残る巧い構成だったと思うので、参考にしています。 ―ANIMAXIS 映画で好きな作品はありますか。TVドラマでも構いませんが。 ―岩崎 特にこれという作品はないですね。国内海外を問わず何でも観ます。ドラマは「月9(月曜夜9時台のドラマ)」とかは観ないですけど。理由はその時間に単に家に居ないという事なのですが(笑)。興味のあるテーマの作品は何でも観ます。 ―ANIMAXIS ご覧になっていてご自分で演出をしてみたいと思ったりしませんか。 ―岩崎 いやー、実写は難しいですからね。役者に演技つけたりするのは面白いとは思いますが、役者を動かしていくのはまだ自分には難しいと思います。興味としてやってみたいというのはありますけど、僕がやりたいのはやはりアニメですね。先ほどお話した女性アンドロイドものも、実写でやるよりはアニメでやった方が僕は上手く表現できると思います。
―ANIMAXIS 今回「ラブひな」を監督されて一年が経ちましたが、改めて「ラブひな」という作品を振り返った時、岩崎監督ご自身の中ではどんな感じの作品なのでしょうか。 ―岩崎 そうですね、いやー何と言うか、宝物みたいな感じと言うか。現実的にはそんなに変わっていないのですが、認知度の部分でも、今まで岩崎なんて誰も知らなかったのが、「ラブひな」を監督した事によって知ってもらえるようになったし、認められた事によって今までやってきた事に自信が持てたというか確信が持てました。そういった意味では本当に素晴らしい宝物ですね。本当に「ラブひな」という作品や、「ラブひな」現象というか人気の高さについては、大変良い経験になったなぁと感謝しています。 ―ANIMAXIS その人気は今や海外にも及んでいますが、海外版リリースの予定はあるのでしょうか。 ―岩崎 一応予定はあるのですが、詳しいことはわかり次第皆さんにお知らせ致します。 ―ANIMAXIS 海外のファンにも宜しくお願い致します。最後にファンの人たちへのメッセージをお願い致します。 ―岩崎 ANIMAXISをご覧の皆様、「ラブひな」監督の岩崎です。いつも「ラブひな」を観て、応援してくれてありがとうございます。これからも「ラブひな」か別の作品でお会いできる日が来るのを楽しみにしています。その時は是非観て下さい。今日はどうもありがとうございました。
―ANIMAXIS 本日はお忙しいところ大変ありがとうございました。 2001年8月22日 中野(株)ガンジスにてインタビュー
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